お客様事例
お客様事例
2016年1月19日公開
パーツを組み合わせて金型を作るLEGO式設計の確立で、品質の安定と作業の効率アップが実現しました。
お客様のニーズに応える 『プレス用金型/プレス製品』 をご提供します。
株式会社TDEC(ティーデック)は、プレス金型の設計製作、部品生産を行っています。
ドア、テールゲートといった自動車の蓋物部品を得意としており、サイドアウター・フェンダー・フードといった自動車ボディ用の大型金型の製作実績もある会社です。
TDEC(Tsushima Die-Engineering Corp.)の社名には2つの想いが込められています。
愛知県津島市に生まれ、津島で培ってきた金型技術を未来へ継承していくこと。
そして、金型の製造だけではなく、その過程で必要とされる技術的付加価値の提供を強みにしたいという想いが社名に込められています。
従業員数は約150名。主要取引先は、ホンダエンジニアリング、本田技研工業となります。
3D設計時の課題解決のため、各部品チームの担当者が集まり毎週ミーティングを行いました。
困りごと解決に向け話し合いを重ねた結果、新しい設計スタイルが生まれました。
設計ブロックのブロックリーダー稲山氏は次のように語ります。
「設計手法を段階的に変えていく中で、2D図面と3D設計を併用している時期がありました。
大型機械加工部品はフルソリッド設計した3Dデータを基準とし、小型部品加工は2D図面を基準として作業をしていたため部品組み付けの際にアンマッチが多発していました。」
「この問題を解決するために図面レス化を次の改善項目とし、『3D設計での一気通貫プロセスに移行』 したのですが、型構造不具合が大幅に減った代わりに検討工数が増加する結果となってしまいました。」
そこでTDECは、新たな課題を解決するために社内にプロジェクトチームを立ち上げました。
「毎週月曜日に各部品チームの担当者が集まり、検討工数削減に向けて困りごとをどのように解決したら良いかの話し合いを重ねました。その結果、構想1年、新しい設計スタイルとして『LEGO式設計』 の確立に辿りついたのです。」
「LEGO式設計とは機能部位毎に標準化したパーツを作り、パーツの組み合わせで金型を作りあげる新しい手法です。変化しない部位は『部分雛型』 + 変化する部位は『パラメ駆動』を持ち、機能部位を組み合わせて作図作業を行います。TDEC内で標準化した型構造を作り上げたことにより、今回改善項目としていた検討工数の削減だけではなく、型構造の不具合も減り品質の安定にもつなげることができました。」
他CADの良いところをCADmeisterにも取り入れ、より進化したソフトになっていって欲しい
設計ブロック技術主任の若松氏と品質ブロック技術主任の上原氏は次のように言います。
「取引会社がCADCEUSを使用していた関係で1999年にCADCEUSを導入しました。
その後CADmeisterとなり計17年間使っています。
目的のモデルを作成するために、あるコマンドを実行するのですが一発で完成形にならない場合があります。そんな時は、別のコマンドを試したり、作業の順番を変えて問題を解決していくのですが、手数が増えて時間がかかります。
やりたいことが一発で出来るコマンドに改善されるといいですね。」
「また、現状のコマンドに満足せずに新しいコマンドをUELと共に創っていきたいとも考えています。他CADの良いところをCADmeisterにも取り入れることで、CADmeister/他CADと使い分けていた工程が一本化され、より進化したソフトになると感じています。そんな提案をUELと一緒に進め、実現できたら嬉しいです。」
「V9.0からコマンドが変わってきているのを感じます。Easy系やDirect_Deformerのコマンドは、操作性が良く視認性も高いと感じます。」
「複雑なモデルが増えデータ自体がどんどん重くなってきています。以前のバージョンでは、データを開くだけで時間がかかっていたのですが、V10.0で早くなったのを感じます。ただ、シェードをかけた状態でモデルの回転を行うと滑らかに表示されない場合がありますので、表示改善も更に進むと良いですね。」
「フィールドSEの技術力は高く、レスポンスも早いので満足しています。ただ、改善や不具合で挙げた項目の進捗が見えないのが不安になりますので、進捗状況の見える化をしていただきたいです。」
TDECにしかないものづくりで社会に貢献します
品質管理部 部長 廣瀬氏は次のように語ります。
「会社は新しいことにチャレンジさせてくれます。こういう事をやりたいと言えば応援してくれるし、たとえ失敗しても次を見据えていれば厳しく叱られることもありません。今回のLEGO式設計も工数はかかるし実現できないまま終わってしまう可能性も高かったのですが、会社が応援しチャレンジさせてくれたのはありがたかったです。」
「色々な取り組みを社内で進めるうえで、大まかな指示は社長からありますがそれ以外は自分達で考えて進めていきます。
最初は苦しいのですがたくさん考えるうちに自分自身も成長し、最後は充実感を得ることができます。
自発的な取り組みが社員ひとりひとりのモチベーションアップにもつながっていると思います。
今後も引き続きTDECにしか出来ないものづくりを目指して、チャレンジしていきたいですね。」
TDECでは、社内改善活動として『TAMS活動』 を推進しています。
T・・・TDEC
A・・・ACTION(みんなで実行)
M・・・磨く(仕事の道具は大切に磨く)
S・・・5S(整理、整頓、整列、清掃、躾)
TAMS活動が、「効率」「美化」「安全」につながるものとなっています。
メカニカルシステム営業部 中日本営業所 長江です。
この度、TDEC様を担当させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。
今回、ユーザインタビュー同行と工場見学をさせていただきました。
とても印象的だったのは、これが金型工場?・・・と思うほど広くて明るく、キレイでゴミ一つ無い工場です(これはオフィスも同じ)。そして、工場の床面に引かれた枠線に沿って、手前から奥の方まで、整然と並んだたくさんの金型・・・。本当にきっちりと並んでいました。これらの光景を見て思わず、『神は細部に宿る』という言葉が思い浮かびました。
素晴らしい芸術作品や良い仕事は細かいところをきちんと仕上げており、こだわったディテールこそが作品や仕事の質を決定する。何ごとも細部まで心を込めて行わなければならない。しかもこれらが一過性の状態ではなく、取り組みが破綻せずに継続されていること自体も、組織全体の強さにつながっているのだなあと感じました。
本当に良いものを体感させていただき、ありがとうございました。
会社スローガン「
河田社長からの強いメッセージ性のある言葉や行動が、社員ひとりひとりの自主性を育み、「自分たちで新しいことにチャレンジしてみよう」という風土作りにつながっていると感じました。
工場見学をさせていただいたのですが、工場内は整理・整頓が行き届いており、たくさんの金型が整然と並べられている光景は圧巻でした。安全で効率良く日々作業をされている様子が伝わってくるものでした。
そして、TDEC様では匠の技を競う選手権を毎年開催しているそうです。
職人が持つ「知識」と「技術」と「創造」する力を競い合い、最優秀マイスターに選ばれた方のお名前と写真が掲示されていました。
こういった社内での取り組みが、匠の技を高め、未来に継承される技術力を創る力になっていると思いました。
名古屋名物の山本屋本店味噌煮込みうどんを食べてきました。
土鍋はグツグツ状態、麺は太くかなりこしがあるタイプ。おつゆはダシが効いた味噌味でとても美味しかったです。
取材担当 永井