お客様事例
お客様事例
2010年11月8日公開
いかに自分の引き出しを増やすか、とにかく経験が大事。
経験を記録し、後継者へつないでいく。
記憶、よりも記録、です。
高品質の追求が生んだ信頼のテクノロジー
株式会社ナカキンは軽合金・産業精機・金型の三事業部で構成され、創業以来培われた「鋳造技術」を基に、
インテークマニホールド等自動車用エンジン部品を中心として、開発・設計から生産までの一貫生産を行なっています。
また、食品・医薬品・ファインケミカル用サニタリーロータリーポンプ・充填機などが広い分野で使われています。
50年余の歴史と実績を持つ金型事業部は、CADCAMシステムを駆使し、
蓄積された経験と最新のテクノロジーとの融合で、より一層の信頼性と堅実性を向上しています。
2Dと3Dのバランス、サポート体制
金型事業部では、主に自動車エンジン部の鋳鍛造製品の金型を設計製作していて、設計ツールとしてCADmeisterを使用しています。
工場長の根本氏は、使い勝手と価格を重視しつつ総合的に評価した結果UELのCADに決めた、と言います。
「当時2次元CADを使っていたのですが、2Dだけでは限界を感じていた頃でした。
ちゃんと図面が作れて、サーフェスモデリングもソリッドモデリングもできる。
他社システムと比べて、とにかく2Dと3Dのバランスが良かった」
CADシステムの選定にも関わり、現在は設計の中心となる班長の中氏は、導入後の実務展開を考慮したうえでの選択理由を語ります。
「機能面で言うと、まず円弧の考え方が良いです。
円弧形状を図面に投影したときに他社システムではスプライン曲線や、細切れの短い線分になってしまったのですが、
CADmeisterではきちんと円弧として投影されます。
さらに、寸法を入れても現実の値ととても近い近似値が測定されます。
また、初めての3次元システムということで立ち上がりが心配でしたが、そこに対するUELのサポート体制は安心感が持てました。
実際に、コールセンター、教育、担当SEからのサポートで効率良く運用につなげることができました」
固定概念を取り払い、流動的に。
「いちいち聞いていたらあきまへん」
ナカキンでCADmeisterを使用している人は設計6名、営業2名の計8名で、営業職でもCADシステムを使いこなします。
中氏も、過去には設計の他に現場(フライス加工)、CAM、営業も経験してきました。
根本工場長の人材育成は革新的。流動的な配置で、個人の総合力UPを目指します。
「常に全ての部署が忙しいわけではない。
みんなが図面も描けて、ものも作れて、自分で営業して注文を取りに行ければ、一切ムダがなくなる。
人にもよりますが、基本的に約2年で部署はローテーションさせます。なぜ2年か。
1年では育たない。
2年以上になると上司が離したがらない。
少なくとも入社から5年〜10年経った後に、適性を見て最終的に配属させます。
若いうちにいろいろと経験して、どれだけ自分の引き出しを作るか。それが一番大事かと」
もちろん何が何でもローテーションさせるという訳ではない、
途中でもとの部署へ戻す人もいる、とは言うものの、社員からローテーションへ対する拒否反応は出ないのでしょうか?
「いちいち聞いていたらあきまへん。
当然不満は出る。しかしその不満は聞かない。
若いうちはその仕事が向いてるか向いてないか、自分も上司も分からない。その人間の特性が分からないうちに部署を固定してはいけません。
部署を固定し分業化することは、ある意味効率は良いかもしれないが、そうすると弊社のような少人数の会社でも、部署ごとに別会社みたいになってしまう。
ローテーションの効果か、他部署を手伝う意識も出てきて、社員が弾力性を持った考え方をできるようになってきました。
忙しいときには前いた部署へ応援に行かせたりします。
お互いに教え合う。教える側も勉強になります。
教えるのも難しいですから。そういう意味でも、流動的に動かすのは重要なのかな、と思います」
3Dから2Dへ展開図の作成、サーフェス形状へのフィレット掛け
一番の導入効果は、3次元モデルから展開図を作成するのが簡単になったこと、と中氏は言います。
「また、マニホールド等、肉厚をチェックしなければならない部品も多いため、
CADmeisterのV6.0から可能になる、点指示での階段断面図作成は大変期待しています。
客先で断面を見たい時にすぐ確認できるので、特に営業サイドは助かりますね。
車のエンジン等複雑な形状のサーフェスモデルは、フィレットを掛けたり外したりを何度も繰り返します。
何重にもフィレットを掛けてボカシたりすることも多いのですが、CADmeisterのフィレットコマンドを使うと、思い通りの形状が作成できます。
フィレットコマンドだけでも15個以上ありますが、とにかくコマンドを使ってみて、それぞれの特性を理解しました。冒険は大事です」
ファイルへのコメント記入と、データ交換変換機能の向上
「要望としては、ファイルにコメントを記録できるようにして欲しい。
ファイルを開かずに改変履歴等の情報を確認したいためです。
プレビュー画面でコメントが確認できたり、コメントでデータ検索ができると良いですね。
今は、特定のレイヤをコメント用レイヤと決めて、そこへ記述しています。
あとは、データ交換の変換率向上と、変換後のデータ容量を減らして欲しいです」
今後の抱負として、未来につながる技術力向上を図りたい、と力を込める根本工場長。
そのためにも、今一度、基礎を見つめ直したい、と言います。
必要なこと、想いを次のように語っていただきました。
今必要なこと・・原点回帰
設計の基礎がおざなりになっているのではないか、と危惧します。
CADmeisterのような便利なシステムを使うオペレーション力だけではなく、本当の意味でも設計を勉強して欲しい。
時代遅れの言い方かもしれませんが、昔は2点間の距離や角度計算に電卓を使ってsin(サイン),cos(コサイン),tan(タンジェント)で計算していた。
少なくともそういった基礎的なところは、システムを使わずにできて欲しいですね。常に現場へCADmeisterを背負っていくわけにはいかないですから。
記憶よりも記録
設計の技術力を高めるには、とにかく経験する事です。そして経験をどう活かすか。
そのためには、いかに経験したことを記録に残していくかが重要。それを後継者へつないでいく。記憶よりも記録です。
ミスは宝の山
人間どうしてもミスを隠そうとしてしまいますが、ミスこそちゃんと記録を残さなければなりません。ミスは宝の山ですから。
なぜこういうミスが出たのか?なぜ?なぜ?と突き詰める。
起承転結をはっきりさせ、ミスを完結させることで、次への教訓になります。
ミスはほぼ同質
人間はあらゆるミスをしますが、なぜ?なぜ?と掘り下げていくと、その個々のミスは全て同質なものに辿り着きます。
やっぱり、個人の性格というか傾向がありますね。そういうのが出やすい。そこを管理することが技術の伝承につながります。
手持ちは一番の罪悪
今後、ミニマムな人数で、最大のパフォーマンスを発揮していきたい。
そのためにも、経験は重要なファクター、財産です。
毎度! 西日本営業部 関西営業所の児野(ちごの)です。
近畿地区のお客様を担当させていただいています。
近畿圏以外の方のために補足しておきますが文頭の”毎度”は親しみを込めた挨拶で大阪の中高年層には普通に使われています。
発音は語尾を上げるように元気よくです。
ナカキン様とは7年程のお付き合いとなります。
主に製図で使っていただいてますが、CADmeisterの機能ではカバー出来ていない所などはやり方を工夫して使っていただいており頭が下がります。
これからもぜひ仲良くお付き合いさせていただきたいと思います。
写真は鳥取県境港のゲゲゲの鬼太郎の町で撮影しました。
着包みのネズミ男や鬼太郎が町を歩いており観光客が一緒に撮影していたのですが、鬼太郎はあまりに偽者の風貌だったのであまり撮影を頼まれていませんでした。
7月に訪れたのですが、やはりネズミ男は『臭かった!』です。
取材を通して、根本工場長の社員へ対する厳しくも深い愛情が感じられました。
また、中様の「他の人が操作しているのを、隣に立って30分黙って見てるだけでも勉強になる。
一人ひとり、アイコンの並び方から使うコマンド、クリック数が違うので」というお言葉や、
「どんなコマンドもとにかく使ってみる、冒険が必要」という信条をお聞かせいただき、
本人に意識があればどんな状況でも技術力の向上を図れるのだな、と学ばせていただきました。
大阪と言えば・・♪ということでお昼は皆でお好み焼き屋へ入りました。
食べてみると、ねぎの量が豪快!思わず感嘆していたところ、「そりゃねぎ焼きだからサ」と突っ込まれました。
「・・・!?」
ねぎ焼きという料理があるのですね!
初ねぎ焼き、美味しくいただきました^^
取材担当 牧野