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お客様事例

2011年4月11日公開

ナビゲーション機能を使った金型設計

設計手順の標準化を構築し、金型設計工数を1日に短縮させる

会社概要
八千代工業株式会社
http://www.yachiyo-ind.co.jp/
所在地
埼玉県狭山市柏原393番地(本社)
代表者
代表取締役社長 加藤 正彰
設立
1953年8月27日
事業内容
【部品事業】
自動車の機能部品(燃料タンク・サンルーフ)の開発・製造と板金部品・樹脂部品の製造
【完成車事業】
本田技研工業(株)向け軽自動車の生産
開発本部  技術ブロック 技術主任  鮎川浩 氏 箕輪祐治 氏

 ユーザー様紹介

燃料タンク、サンルーフにおいて、開発から生産まで一貫した製品造り体制を構築

八千代工業株式会社は1953年、塗装業を中心とした八千代塗装株式会社を原点とし、以来、本田技研工業株式会社との取引を開始しました。 その後自動車市場の拡大とともに部品事業では燃料タンク、サンルーフにおいて、開発から生産まで一貫した製品造り体制を構築しました。 また、完成車事業では本田技研工業「ステップバン」の受託生産に始まり、今では本田技研工業の軽自動車を生産するまでに至っています。
八千代工業株式会社はこの部品事業、完成車事業で競争力を高め、順調に成長しています。
生産技術部では、板金部品の設計から加工方案検討、金型・設備の設計製作を担当。国内・海外の生産拠点へ生産設備を供給しています。
 

 CADmeister導入前の悩み、CADmeisterを選択した理由

設計経験の浅い人にでも、経験の長い人と同じレベルの仕事ができるDynamicNavigator。
やりたい事がダイレクトに反映されるサポート体制。

現在、生産技術部では8名がCADを使って金型設計をしています。
設計メンバーの入れ替えにより、そのうちの4名が入社1〜2年目といったまだ経験の浅い若い人たちで構成されています。 この設計メンバーの若返りによる悩みを生産技術部の鮎川主任はこのように話します。
 

「社内に金型設計のためのマニュアルが乏しい為、設計していく上での情報が少なく、 まだ経験の浅い人たちは、過去の人たちが陥った失敗と同じ失敗を繰り返し、設計時間がかかってしまっていました」
また、需要の変化に伴う仕事内容の変化も設計時間へ大きく影響したようです。
「昔は扱う部品が限定されていたため、部品も定番化されていましたし、社内で設計手順が標準化されていました。 しかし、燃料タンクの樹脂化や、サンルーフの需要の低下、といった世の中の需要の変化に伴い、 扱う部品が変わり、今までのような定番化された部品以外にも対応する必要が出てきてしまいました。 さらにそのタイミングで以前使っていたCADソフトがバージョンアップをし、環境がガラリと変わってしまったことで、 それまでと同じ設計時間では対応しきれなくなってしまいました」
 
度重なる環境の変化に対応するためにCADmeisterを導入。その経緯についてこのように語ります。
「なんとか設計時間を短縮できないかということを検討し始め、構造設計に向いているCADソフトを3社ほど見せてもらいました。 どれも優劣はなかったのですが、CADmeisterの設計ナビゲーション機能DynamicNavigatorを見せてもらったときに、 これがあれば設計経験の浅い若い人にでも、経験の長い人と同じレベルの仕事ができるようになるのではないかと思い、CADmeisterを選びました」
 

また、UELのサポート体制も決め手の一つだったと、生産技術部の箕輪氏は話します。
「Solid Aid Center(以下SAC)の人に何度も来ていただいて、うちのやりたいことをヒアリングしてもらいました。 『こんなことがやりたい』、『こうしたらできますよ』 というやり取りを何度か繰り返していくうちに、この人たちとなら新しい環境下でも設計手順の標準化を構築していけると思いました。 CADmeisterは国内で開発しているので、私たちのやりたい事がダイレクトに反映されます。 そういった対応の早さも決め手の一つでした」
 

 CADmeister導入後の結果・メリット

金型設計にかかる工数を約半分に抑えることができる予定。
転記ミスなどが防げるようになり、結果的に不具合を減らすことができました。

箕輪氏は、CADmeister導入後のことをこのように語ります。
「まだ運用し始めたばかりで、やっとオペレーションがついてきた感じです。まだまだこれからです。
ただ、CADmeisterでは、八千代工業オリジナル用としてDynamicNavigatorを開発してもらっているので、 いまのところ私たちがやりたいと思っていることの半分くらいは叶えてもらえています。 そのため、今の段階で既に金型設計にかかる工数を約半分に抑えることができる予定です。 残りの半分について今後どう発展していくかは担当の西本さんの腕次第ですね(笑)」
 
しかし最初は、CADmeisterへ移行することに不安もあったようです。
「CADmeisterを導入しようとなったとき、かなり迷いました。 私自身入社以来、他社CAD一本できましたし、金型製作全体の中で、設計だけCADソフトが変わってしまって本当に大丈夫なのかという不安もありました。 しかし、CADmeisterを触ってみて、アセンブリ配置など根本的な概念の違いなどはありましたが、操作性の面では違和感なく馴染めたので安心しました。
目標は金型設計の工数削減は元より、金型製作費用の削減です。 そのために今期は金型設計の後工程である1次加工分野にDie-Stacker(以下DS)を導入しました。 そして来期は、前工程である工法検討分野へDie-Layout(以下DL)の導入を検討しています。 金型製作全体の作業をCADmeisterで行っていくことを考えています

 今後CADmeister・UELへ期待すること

DL全体として特化した機能になって欲しい。
CAD操作に不慣れな人たちでも簡単に操作できるビューワー(SAM)を期待。

「現在、工法検討は他社CADでおこなっているため、金型設計で使用するデータとのリンクが取れておらず、 何十時間もかけて工法検討したデータが設計上に全く活かされていません。 そのため来期はCADmeisterのDLを導入し、工法検討もCADmeisterで行うことを検討しています。 そうすることで工法検討から設計まで、データの連携をとり、更なる作業時間の短縮を図っていきたいと思います。 DLのデモも見せてもらいましたが、感覚的に操作できるところなど、ユーザのことをよく考えて作られたソフトだなと感じました。 ただ、機能的にある部分には特化しているけれど、最後の工程までと考えたときに途中でプツンと切れてしまっているのが残念ですね。 DL全体として特化した機能になって欲しいです」
また、完全3D化を目指しCADmeisterのビューワーSOLIDAIDmeister(以下SAM)も導入しています。 箕輪氏はSAMへの期待をこのように語ります。
「図面レス化の一環で、SAMも3台ほど導入しています。 ビジュアル的には問題ないのですが、もう少し操作性を改善して欲しいと思います。 下請けの工場とは未だにFAXで図面のやり取りしている状況ですが、いずれは図面レス化のために下請け工場にもSAMを導入してもらう必要が出てくると思います。 そうなったときに、CAD操作に不慣れな人たちでも簡単に操作できるようなビューワーにしてもらいたいですね。
 

また、UELへ期待することを、鮎川氏、箕輪氏は口を揃えてこのように話します。
 
「CADmeisterは国内で開発しているという強みがあるので、ユーザの声をいち早くシステムへ反映して欲しいです。 そのために、こちらからも『何がしたいのか』『どんなことがしたいのか』という意見をどんどん投げていきたいと思っています。 小さなリクエストでも反映してもらえることを期待しています」
 

 ユーザ様としての今後の展望、抱負

行く行くは、金型設計の工数を1日に短縮したい。

箕輪氏は金型製作のリードタイム短縮が今後の課題だと語ります。
「金型製作のリードタイムを短縮させる為には製作プロセスの作業工数低減が必要であり、低減させる為には金型構造の標準化が不可欠です。 構造を標準化させる事で製造プロセス、製作方法が標準化され工数低減につながります。 それに対して設計部門では何が必要かとなったときに、 まずはDynamicNavigatorを使ってドロー型、フォーム型の設計を行うことで、成形型の設計では大きな効果が得られそうです。 しかし、2次型の設計についてはまだ課題が多い状態です。 2次型工程をいかに早く吐き出せるような仕組みにしていくのかということが今後の課題ですね」
 
また、鮎川氏はこのように語ります。
「以前は、量産用の金型を試作に適用していました。 そのために設計を1日で終わらせていました。昔できていたことを今後も同じようにやっていきたい。 つまり、設計を1日で終わらせたいという思いがあります。 そのためには、以前と同じような金型構造、設計手順の標準化構築が必須となります。
CADmeisterで設計手順の標準化を構築し、現在20日かかっている工数を、まずは半分の10日へ、 そして、行く行くは1日に短縮していきたいと考えています

 担当営業より一言

東日本営業部 ホンダプロジェクト 西本です。
昨年から主にホンダ関連メーカー様を中心に担当させていただいています。
八千代工業様を担当させていただいて約1年になります。
現在、CADmeisterの新規導入に合わせて、「標準化」をキーワードに八千代工業様オリジナルの金型設計支援プログラム(Dynamic Navigator)を開発しています。 箕輪様のお言葉にあるように、まだ導入して頂いたばかりで、「成果」といった面ではまだまだこれからだと思っています。 CADmeister+Dynamic Navigatorを上手く活用し、ご期待に応えられるように、日々、取り組んでいきます。
 

東北地方太平洋沖地震により被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
皆様の安全と被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
写真は弊社内で募っている募金箱です。
私も微力では有りますが、募金させて頂きました。
今後も復旧のお役に立てることに取り組んでいきます。
 
 

 編集後記

八千代工業様では、V5.1でリリースされた新機能「DynamicNavigator」を使って設計手順の標準化を現在構築中です。 まだまだ実例の少ない機能ですので、DynamicNavigatorを使った新たな挑戦はとても新鮮に感じました。
八千代工業様の目指す工数9割減という大きな目標の一端を担えるよう、DynamicNavigatorの機能およびSERによるサポートを今後ますます充実させ、 今後より多くのユーザ様のお役に立てるツールにしていきたいと思います。
 

さて、今回は取材のため八千代工業本社工場のある埼玉県狭山市へ行ってきました。狭山市といえば、お茶のブランド狭山茶が有名です。 編集後記にちょうどいいネタはないかなぁと地元のお茶屋さんをウロウロ、、、  そして見つけました!!「狭山茶ようかん」 家に帰って早速いただいところ、予想以上の美味しさに思わず「おいしいーっ!!」と言ってしまったほど。 すっきりとした甘さのなかにさわやかな煎茶の香りが口いっぱいに広がり、とても上品な味でしたよ。
ぜひ皆さんもお近くまで行かれた際はご賞味ください☆「お茶のはなさき」にてご購入いただけます。
 

取材担当  谷川

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