お客様事例
お客様事例
2011年5月30日公開
設計ミスと製図ミスを明確に分離し、ユーザ定義部品機能を使って製図不具合ゼロを目指すGDC(Global Design Center)との分業により工数と費用の削減を実現
受注時から出荷後まで一貫して、『信頼のサイクル』をキーワードに取り組んでいます。
自動車のさまざまな部品は、そのほとんどが金型から生み出されたものです。 その金型の中でも、当社はインストルメントパネル、バンパーなど大型の射出成形用金型に特化した専門メーカーです。 これらの大型金型は設計内容が多岐にわたるだけに、お客さまのニーズを細心に把握し、つくり上げなければなりません。 そこで私たちは受注時から出荷後まで一貫して、『信頼のサイクル』をキーワードに取り組んでいます。 技術やデザインが変化してもこの思いは変わらずに、「お願いしてよかった」とのお客さまの声に応えていきたいと思います。
一番汎用性があり、また、コストの面でも希望に沿っていたユニシスのCADシステムを導入。
約20年前にユニシスのCADシステムを導入。当時の様子を常務執行役員の大橋氏はこう振り返ります。
「扱う製品がインパネといった大物がメインであったため、当時のCADでは対応できず、なかなかCADCAM化へ切り替えることがきませんでした。
そんな中、小物を扱っている会社はどんどんCADCAM化していき、そういった会社の事例をたくさん見ていく中で、一番汎用性があり、
また、コストの面でも希望に沿っていたユニシスのCADシステムを導入することに決めました」
「また、国内のCADメーカということで、開発現場が近場にありサポート面が充実していたことも導入理由の1つです」
と話すのは、金型設計課マネージャーの吉田氏です。
導入当初の苦労を大橋氏はこのように語ります。
「CADを導入したものの製図機能を中心に使っていたため、当時は製図ツールとしての役割でしかなく、本当の意味での3次元化ではありませんでした。
それから徐々にコンピュータが進化していき、大物に耐えられるだけのものになったところで、少しずつ3次元化していきました。
それでも最初の頃はモデルを回転するだけで、その間にタバコ2〜3本は吸えるといった状況でした」
このような苦労があったものの、その反面CADを導入したことによるメリットもあったようです。
「レスポンスの面では確かに苦労しました。
しかし、1つ部品を作ってしまえば、あとは流用して使いまわすことができるため、同じ部品を何度も作り直す必要がなくなりました。
その部分で大きな設計工数の低減につながりました」と、吉田氏は語ります。
ユーザ定義部品を使って、設計作業の末端である、設計から製図へ流れるデータを一元化。
転記ミスなどが防げるようになり、結果的に不具合を減らすことができました。
昨年、CADmeisterの前身のCADシステム「CADCEUS」から「CADmeister」へ移行しました。
その経緯について大橋氏は話します。
「CADCEUSを使っていた頃は、カスタマイズプログラムを作成するための専任のメンバを置き、自社にとって一番効率が良くなるようカスタマイズして運用していました。
自社独自のCADに仕上がっていたため、CADCEUSからなかなか離れられませんでした。
しかし昨年、CADCEUSの開発が終了したのをきっかけにCADmeisterへの移行を決意しました」
CADCEUSでカスタマイズしたものをCADmeisterへそのまま引き継ぐことができなかったため、移行に対しては様々な不安があったようです。
その不安をどのように解消し移行へ踏み切ったのか、このように語ります。
「パートナーさんたちは既にCADmeisterへ移行していたため、移行したことによる困り事などを事前に聞くことができました。
その中でもとくに気になったのが、パラメトリック利用によるデータ容量の増加です。
この問題を克服してからではないとCADmeisterへは移行できません。
そこで、履歴を削除してデータを軽くするなどの工夫をし、CADCEUS同様にCADmeisterでも今までどおり動かせるかどうか実際に確認しました。
結果、CADmeisterでも間違いなく動くことが確認できたのでCADmeisterへの移行を踏み切りました。
こういった事前確認を綿密に行ったことで、移行作業は思ったほどの苦労もなくスムーズに進みました。
CADCEUSの頃は自社用にカスタマイズしていたため、便利な反面、管理工数がかかる、バージョンアップについていけない、といったデメリットもありました。
その経験を生かし、CADmeisterでは自社開発は行わず、なるべく標準機能で運用していくようにしています」
また、CADmeisterへ移行したことによるメリットを吉田氏はこのように話します。
「履歴の管理は作業者の負担になるため、CADCEUSの頃からパラメトリック機能はあまり使っていませんでした。
CADmeisterへ移行したことで、履歴にとらわれない、MOLDLAYOUT機能が使えるようになったため、現在はMOLDLAYOUTを中心に運用しています。
なかでもユーザ定義部品機能が使えるようになったことによる効果は大きかったです」その効果について吉田氏はさらにこう話します。
「ユーザ定義部品を使って、設計作業の末端である、設計から製図へ流れるデータを一元化して運用できるようになりました。
部品データには、あらかじめ属性が付加されているため、設計で使用した部品データをそのまま製図へ流用することで、工程間で発生する転記ミスなどが防げるようになり、結果的に不具合を減らすことができました。
今期目標は、『不具合ゼロ』です。昨年はそのための準備段階として、ユーザ定義部品の登録など、仕組みづくりを行ってきました。
今年は、その仕組みを使って運用し、製図工程での不具合ゼロを目指します」
しかし何百というユーザ定義部品の作成・登録を社内で行うとなると膨大な工数と費用が掛かってしまいます。
この課題をどうやって克服したのか、大橋氏はこのように話してくれました。
「ユーザ定義部品のソリッドデータ作成から登録までの作業を、UELを介して、中国・大連にあるGDC(Global Design Center)へ委託しました。
GDCでは7名のメンバが立松モールドチームとしてこの作業にあたっています。
作業を中国へ投げたことで大幅な工数と費用の削減を実現することができました」
人材面でのサポートを期待。
意見や要望に対する早い対応を期待。
「人材面でのサポートを期待しています。
現在GDCで7名の専任作業者を用意してもらい、国内外で作業を分担していますが、それでもまだ人材が不足している状況です。
そういった人材面でのバックアップも今後は力を入れていって欲しいと思います」と大橋氏は言います。
また吉田氏はサポート面への期待をこのように話します。
「CADCEUSのころは、標準機能でできないことがあっても、自分たちでカスタマイズして対応できていましが、
CADmeisterでは極力標準機能で運用していかなければならないため、今まで以上にUELのサポートが必要になります。
そのため、こちらからの意見や要望に対する早い対応を期待しています」
目指すべきは設計ミス撲滅。
業界全体が厳しい状況下で、今後どうやって生き残っていくか、大橋氏はこのように話します。
「現在ではどの金型メーカーもCADCAM化が進み、技術レベルも平均化されてきました。
また、韓国・中国・タイといった海外も最先端の機械を導入し、日本と変わらない品質のものが作れる状況となっています。
この状況から一歩抜け出さなければ我々もいずれは淘汰されてしまうのではないかと思っています。
そこで我々としては何かしらの付加価値を付けていかないと生き残っていくことができません。
不具合ゼロはそのための第一歩だと思っています。
また、システムを駆使して絶対に製図ミスはなくせます。
目指すべきは設計ミス撲滅です。
その点においても第一歩です」
みなさん、こんにちは! 中部営業所の堀内です。
東京から名古屋に転勤して2年がたちましたが、立松モールド工業様は私が名古屋に転勤してすぐから担当させていただいてます。
立松モールド工業様はインパネなどの大物樹脂金型の設計&製作まで取り組まれておりますが、
初めて工場内を見せていただいた際にはあの大きなロボットのような機械のような金型に衝撃を受けたことを覚えています。
今でも時々見せていただくことがありますが、その迫力はもの凄いものがあります!!
さて、写真は今年の1月に初めて伊勢神宮に行った際のものです。
伊勢神宮の宇治橋から見える日の出です。
何だかイイコトがありそう。
当日は日の出を見るために朝5時ごろ名古屋を出発しました。
宇治橋の真ん中に日の出が見えるのは、冬至を挟んで約2ヶ月間のみだそうです。
そのあとは、鳥羽水族館に行って、浦村の焼きカキ食べ放題にも行ってきました。
焼きカキ食べ放題はとてもおいしかったですよ〜♪
今年の冬もまた行きたいと思います(笑)
立松モールド工業様では、不具合ゼロを目標に取り組んでいます。
ユーザー様がその目標を達成させるためには、その前提としてCADmeisterに不具合があってはいけません。
ユーザー様に不具合ゼロのシステムをご提供できるよう、私たちも努力しなければと思いました。
さて、今回は名古屋のユーザー様ということで、取材へ行く前から心に決めていたことがあります。
それは・・・。「名古屋へ行ったら、コメダ珈琲店のシロノワールを食べるぞー!」です。
全国にチェーン展開されていますので、ご存知の方も多いと思いますが、シロノワールとは、
ふかふかの焼きたてデニッシュパンの上に濃厚なバニラソフトクリームが載ったスウィーツです。
とてもシンプルではありますが、一度食べたらすっかり虜になってしまいました。
写真はミニシロノワールなのでお一人さまサイズですが、普通サイズは3〜4人でシェアできるくらい大きいです!!
取材担当 谷川