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お客様事例

2016年3月25日公開

プレス型3次元設計・製作における効果と今後の展望

どれだけ速くつくれるか
それが軽自動車の生き残る道。
速くつくるため、CADmeisterを選んだ。

会社概要
ダイハツ九州株式会社
大分(中津)工場

http://www.daihatsu-kyushu.co.jp/
所在地
大分県中津市大字昭和新田1番地
設立
昭和35年(1960年)6月1日
事業内容
自動車およびその部品の開発・設計・製造・販売
生産技術部 金型工場推進グループ 吉井 公一 氏(型設計)写真右 森 啓輔 氏(CAM)写真左

 ユーザー様紹介

メイドイン九州のクルマづくりにこだわり、世界一のスモールカーメーカーを目指す。

ダイハツ九州株式会社は、『世界No.1のスモールカーづくり』をビジョンに掲げ、開発から生産までの一貫体制構築という自立化への歩みと、そのビジネスモデルをグローバルに展開できるように挑戦を続けています。 九州から世界中のお客様に笑顔をお届けすべく『メイドイン九州』のクルマづくりにこだわった企業活動にも積極的に取り組んでいます。 工場は大分県中津市の大分(中津)工場と福岡県久留米市の久留米工場とがあります。
 
大分(中津)工場には、普通乗用車から軽トラックまで生産できるラインを持つ第1工場と、SSC(シンプル・スリム・コンパクト)にこだわった軽自動車生産に特化した生産ラインを持つ第2工場があり、第1工場、第2工場ともに低コスト、高効率、高品質が評価され、操業開始の翌年にはそれぞれ日経ものづくり大賞を受賞しています。
自然豊かな立地に恵まれた環境の下、地球環境、 生産効率、労働環境、地域との共生に配慮したモデル工場を目指しています。
 

 CADmeister導入事例 〜苦労した点、効果〜

ダイハツ九州では、以前は金型設計・製作を外部委託していましたが、それを内製化に切り替えるべくCADmeisterを導入しました。導入後約1年半が経ちます。
設計は吉井氏、CAMは森氏が中心となりCADmeisterを活用した業務をゼロから立ち上げ、現在に至ります。
 

生産技術部 金型工場推進グループ 吉井 公一 氏(型設計) 「今、型設計は基本的にパラメトリックで履歴を組んで雛形を用意し、それを流用して設計するという半自動設計に取り組んでいます。 スケッチ同士を連動させてソリッド化するというデータの作り方です。 雛形を使えば、最低限必要な情報−金型で言うと、クッションピンのストローク、クッションピンハイト、ダイハイト等−をある程度入力すれば型の7割、8割は設計が終わるようになっています。 CADmeister導入当初は、履歴を作らずに設計していました。それと比較すると、今はDRAW工程であれば1/3以下、その他の工程も約半分以下に設計工数が減っています。


もともとはお二人とも生産準備の部署で新車種の立ち上げをおこなっていました。
3次元CADCAMシステムの導入は初めてとのこと、最初からスムーズな運用ができたのでしょうか?


−PRESS
「導入の経緯としては、まず設計からCAM/NCまで一括で行える、オールインワンCADであること。 そうすることで、データの変換や戻り作業も減らせ、スムーズな型造りを目指せるからです。 また国産のシステムであるため、要望や開発を直結させてもらいやすいという利点もあります。 会社の方針であるリードタイム短縮にも、CADmeisterは一役買ってくれています。 いかにリードタイムを短くするか、という会社の方針があり、その手段としてCADmeisterが導入されたのです。 しかし、最初は雛形を作るような知識が無く、履歴再生がうまいこと動かず失敗を繰り返し、こういう風にやってみようかな、ああいう風にやってみようかな、と試行錯誤していました。 後々どこが編集・変更されるか、を見据えて拘束を付けたりしないと履歴再生時エラーになってしまうのですが、その辺の考え方をUELのPRESS担当者にも相談に乗ってもらい解決していきました。」


−CAM

生産技術部 金型工場推進グループ 森 啓輔 氏(CAM) 「今はCAM業務全体を通して、自社内で対応できます。 最初は意匠部分だけのNCデータを出力していましたが、今は型の構造部も出力できるまでになりました。 構造部に関しては、使用する工具のデータベース化等、設定が多く苦労しましたが、UELのコールセンターやフィールドSEのサポートもあり運用に至ることができました。 特にフィールドSEの方は先のことまで見越して提案してくださるので、実際に使っている側としてはかなりありがたいです。
コールセンターにも何件も問い合わせしましたが、そこで色々と教えてもらいました。」

 UELのサポート

サポートメンバーの的確な対応と、地域交流会での情報交換

生産技術部 金型工場推進グループ 吉井 公一 氏(型設計) フィールドSEメンバーについて、吉井氏も森氏も「聞きたいことに対してピンポイントで回答をくれるので助かります。 こういうやり方でどうですか?と積極的に提案もしてくれます。」と言います。
 
そんなフィールドSEも参加するのが、地域ごとに年に4,5回開催される交流会。 地域のユーザ様とUEL担当が一堂に会し、CADmeister新機能のご紹介やユーザ様の要望をヒアリングしたりします。 吉井氏も森氏も積極的に参加されています。
 
「他のメーカー様との会話の場にもなるのでありがたく、貴重な時間です。他社の事例、要望の生の声を聞けますから。 交流会はとてもためになっています。UELにはこのような活動を今後も続けていって欲しいです。これは切に願います。」
「今は広島地区の地域交流会に参加していますが、できれば、他の地域の方の声も聞いてみたいですね。」

 CADmeisterへの今後の要望

レスポンス向上と、データ交換精度向上、CAM計算の速さ

生産技術部 金型工場推進グループ 森 啓輔 氏(CAM) 吉井氏が1番に望むことは、レスポンスの速さ。
「導入時のV8.0と比較するとV10.0は体感的に速くなりました。でももっと改善して欲しい。 型構造のファイル構成はアセンブリファイル数も多く、履歴再生や保存に時間が掛かっています。さらに速くなるよう期待します。」
 
CAMに関する要望は、「1番はデータ交換の精度の向上、次にCAM計算の速さ」と森氏は言います。
「IGESでデータを受け取る機会が多いのですが、相手先のCADシステムとの相性によっては面の抜け落ちがある。 データ交換後のモデルでCAM計算すると良くないNCデータになっていることがあり、どうしても手間が掛かります。」
「CAMは工程の雛形があり、それを流用しています。工程を流用したデータについて計算をかけると、一晩たっても終わっていない時があります。 希望は、計算してすぐパスが出ること。特にCAMは計算の速さが業務に直結するので改善を望みます。」

 今後の目標、理想

リードタイムの短縮と、理想は全自動

生産技術部 金型工場推進グループ 森 啓輔 氏(CAM) 森氏の理想は、NCの全自動化、とのこと。
CAMの計算から出力まで、人の手をかけずにやりたい。今はCAM計算後、CLの編集をしていますがその作業をなくしたい。
納期がどんどん短くなる中、その分作業者の負担も増えています。そこを減らすには、システムに依存しないといけない状況になってきているのかな、と思います。 地域交流会でもNCの自動化が話題となっています。その機能をCADmeisterで対応してもらいつつあるので、今後それを有効活用していきたいです。
 

生産技術部 金型工場推進グループ 吉井 公一 氏(型設計) 吉井氏はものづくりに対する想いを語ります。
「会社の方針として、リードタイムの短縮があります。軽自動車はどうしても高級車と違い『速くつくる=低コスト』になります。 いかにコストを下げてクルマをつくれるか。それが軽自動車の生き残る道。 金型はクルマをつくるための設備でしかないかもしれませんが、、、それでもやはりコストに直結してくると思います。 こういったコスト意識は、どこにも負けない。そういう意識は常に持ったまま、これからもものづくりを続けていきたいです。」
 

 担当営業より一言

メカニカルシステム営業部 西日本営業所 児野(ちごの) メカニカルシステム営業部 西日本営業所 児野(ちごの)です。近畿地区、九州地区を担当しております。
 
ダイハツ九州株式会社様は明星金属工業株式会社様からのご紹介で、2012年からお付き合いをさせて頂いています。 CADmeisterを中津工場に導入いただいたのは2014年8月頃です。 導入当初からCADmeisterをフルに使って頂いており、現在では型設計、CAMとかなり効果をお出しいただけているのではないかと思います。 西日本地区では広島にて、CAM技術交流会、プレス設計技術交流会を開催しており、ご担当者には積極的にご参加いただいています。
 
個人的には、吉井様、森様とも気軽にお付き合いさせて頂いてます。 お二人とも仕事の話になると結構熱く語られるので、夏は冷房の効きが弱くなります。 ただそれ以外の話だとやっぱり”オトコ”といった感じになります。 これからも少しだけウケを狙える営業スタイルで、お客様に喜んで頂けるように取り組んでいきます。
 
写真は中津城で兜をかぶったものです。 ユーザインタビューの際に立ち寄りました。 やっぱりスーツに兜は似合いませんね。

 編集後記

インタビューさせていただき、ダイハツ九州様は、役員の方と担当の方の距離が近く、風通しの良い企業だな、と感じました。 お話の中で、役員が「現地・現物・現認」「リードタイムの短縮」を意識しそれが行動にも表れているので担当としても自然とそのような意識が染み付く、との言葉がありました。
 
各担当者数が少ない中、それぞれの方が役割を意識し目標達成のために創意工夫されていて、少数精鋭集団という印象を受けました。 そのようなマインドや姿勢は、例え環境が多少変わったとしても、変わらずに一人ひとりが持ち、継がれていくのだろうと思います。 私も、自身の日々の業務に対する姿勢を見習わなければ、と刺激を受けました。
 

中津城 さて、ダイハツ九州様の近くには中津川(山国川の派川)の河口に建つ中津城があります。 今あるものは再建されたものですが、もとはあの黒田官兵衛が築城。 堀には海水が引き込まれており、海の干満によって水位が変わる水城で、今治城・高松城と並ぶ日本三大水城の一つに数えられます。 石垣からせり出した天守閣は、敵の侵入を防ぐためだろうか、としばし戦国時代に思いを馳せました。
 
 
 
 

取材担当  牧野

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