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お客様事例

2019年12月26日公開

プラスチック成形メーカーとして提案型企業へのシフトを目指す

プラスチック成形メーカー一筋に70余年の矢作産業株式会社は、長年培った確かな技術力をベースに、提案型企業への強化を推進中である。 得意先の製品設計段階から参画し、成形や金型の技術要件の提示やコスト低減提案といった「デザイン・イン」活動を強化している。
デザイン・インが本格化したのは10年以上前からだが、それをきっかけに技術検討ツールとしての基幹CADを見直すこととなった。
それまでの得意先データの授受と形状確認が主なCAD利用から、デザイン・イン対応に必須となる成形、金型の技術検討面で優位となるCADmeister導入となった取り組みを紹介する。
 

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会社概要
矢作産業株式会社
http://www.e-yahagi.com/
所在地
【本社】
 愛知県額田郡幸田町大字菱池字荒子15-1
【西尾工場】
 愛知県西尾市下羽角町六反55-1
創業/設立
1945年12月/1946年12月
事業内容
主に自動車関連樹脂部品の金型設計から製品の製造及び販売
金型技術部 部長 山本 敏彦 様(右) 金型技術部 金型技術課 技術係 北島 見記 様(左)
 金型技術部 部長
  山本 敏彦 様(右)

 金型技術部 金型技術課 技術係
  北島 見記 様(左)

 ユーザー様紹介

矢作産業株式会社は、プラスチック部品(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)専門メーカーとして、主に自動車関連部品の金型設計から製品の製造及び販売を行っている会社である。
試作から量産までの一貫対応、3DデータとCAE解析を活用した高品質金型の内製化、全測定対応可能な検査体制等、高品質で短納期な金型製作と部品生産で競合他社との差別化を図っている。
国内はもとより、海外ではアメリカ・タイ・中国にも生産拠点を擁し、グローバル化も対応中である。金型の生産実績面では、平均200〜300型/年間を誇っている。
2019年5月6日より、岡崎工場から移転した金型部門に、測定部門、物流部門を加えた工場として新たに西尾工場が稼働。金型部門を充実化することで新製品のよりスピーディーな立ち上げを図る。
今回は、その西尾工場の金型技術部 部長 山本様、同部 金型技術課 技術係 北島様にお話しを伺った。
 

ユーザー様紹介
 

 導入前

・得意先と同じCADを導入し、製品データを授受していたが、製品形状の確認が中心であった。
 そのため成形要件の確認や顧客との調整が不十分となり、手戻りや金型の修正に余計な工数や費用がかかっていた。
・製品データの成立性検討等は、3Dデータ上で型割りしたうえでチェックしないと検討漏れが生じる。
 他社CADの標準仕様では機能面に限界があり、3Dデータ上での型割りが困難なケースが発生し、困っていた。
 

 導入後

・CADmeister導入後、製品データに対して形状確認だけでなく、成形要件や金型要件のチェックを3Dデータ上で実施。
 顧客や金型メーカーとの要件調整も3Dデータで行うことにより、迅速かつ正確な技術検討が可能となった。
・3Dデータ上で型割りが出来るようになり、型の不成立箇所等の発見ができるようになった。
 それにより検討漏れによる手戻りの削減、成立可能な形状の提案ができるようになった。
 

 CADmeister導入の経緯

きっかけはモールドベースの3D化加速とデザイン・イン活動の本格化

約10年前、モールドベースの3D化への動きが加速し、同時期に、得意先に製品設計段階から入り込みながら技術検討する、いわゆるデザイン・イン活動を本格化し始めた。 これをきっかけに、社内で技術検討の基幹となる3次元CADの見直しをすることとなった。 CADには3Dデータ上で成形要件や金型要件を検討しやすいことが求められていた。当時、利用中の他社CAD含め、CADmeister他、複数メーカーの3次元CADを比較検討することとなった。
北島様はCADCEUSを利用されていた経験があり、他社CADよりも慣れた操作ができること、型の不成立箇所の発見に役立つ機能があること、型割りに強いこと、また取引先である型メーカーがCADmeisterユーザであり、情報共有が有利であること等を決め手として導入に至った。
 

 効果

成形と金型の技術検討が社内で完結できるようになり、検討スピードと精度が向上した

「それまでは得意先のデータを他社CADで形状確認後、金型メーカーに金型要件を見てもらい、検討結果を得意先に伝えていました。要件が得意先に通らない場合は、その調整に多大な時間を費やしていました。
CADmeister導入後は、3Dデータ上で成形と金型の技術検討を自社で完結でき、それにより得意先との調整が迅速化しました。」(北島氏)
結果として、それまでかかっていた工数や費用、手戻りの削減、金型品質と製品品質の向上につながった。
 

 今後

デザイン・インを加速させ、提案型企業として更に発展していきたい

「今後、デザイン・インを更に加速させることに重点を置いています。 流動解析も活用しながら様々な検証を実施し、成形や金型の要件を早い段階から得意先に提案をしていく。 そうすることで、リードタイムの更なる短縮、コスト低減、更にそのための技術力の底上げも実現していきたい。 そういった提案型企業として更に発展していく必要があると考えています。」(山本部長)
 
「現在、技術者が週2〜3日程度、得意先に入り込んでデザイン・イン活動をしています。 技術者個々のスキルや経験値にもよりますが、技術的な課題が発生した際、その場では解決策を提示できず、自社に持ち帰ることが多い。 そうではなく、顧客に成形や金型の技術要件を説明したうえで、その場で解決策を提示し、顧客と調整できるようにしていきたいです。」(北島氏)
 
提案型企業としての更なる発展に、CADmeisterも引き続き貢献するべく、今後の期待についてお話を伺った。
「CADmeisterは、製品検討をするには他社CADよりも優れていると思います。 その反面、フィレット外しや図面化機能等、まだまだ不満に感じる部分もありますが、それをSEや開発の方に直接ぶつけることができるのも他社にはないUELの良さだと思います。
引き続き対話のできるCADメーカーさんでいてくださいね。」(北島氏)
 

今後
 

2019年10月取材
※記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
※自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。
 

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