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お客様事例

2008年4月15日公開

3Dソリッド設計の現状と今後の課題(第2回)

3D化にこだわり技術情報統合管理システムを構築。
さまざまな可能性を秘めた3Dモデル、情報共有で国際的に競争力を展開していきたい。

会社概要
株式会社山本製作所
所在地
愛媛県松山市
代表者
代表取締役 山本 功
創立
1925年6月
資本金
5,000万円
従業員数
363名(2007年12月現在)
売上高
2005年度/68.2億円
2006年度/73.2億円
主要製品
自動車プレス金型、農業機械、建設機械
株式会社山本製作所


 
「3Dソリッド設計の現状と今後の課題」と題し、株式会社山本製作所様の事例をご紹介いたします。
本稿は2007年12月に開催しました、UEL FORUM 2007でのご講演内容です。
 

 講演者

株式会社山本製作所 常務取締役
 長崎 一誠 様
 (UEL FORUM 2007 in GUNMA)
 
株式会社山本製作所 金型事業所製造部 技術課設計係
 篠崎 孝治 様
 (UEL FORUM 2007 in OSAKA)
 

 講演内容

【技術情報統合管理システム(TIM)〜構築の背景と主な機能】

なぜ、それほどまでに3D化にこだわるのかというと、 課題として不具合工数の削減、高度な知識・経験・ノウハウの社内共有、 それから一般にいわれている2007年問題があり、これらを解決するためです。
 

重要経営課題
 
TIM 主な機能
 

【技術情報統合管理システム(TIM)〜システム概要図】

今取り組んでおりますTIM(Technical Information Management System)の機能概要を説明させていただきます。
 
私どもは金型を製作する場合は必ず型の製作番号を入れております。
このような金型の基本情報を集めている基本情報データベースと、 加工指示書・帳票類・支給データ・3DCADデータ・NCデータを集めた製造情報管理データベース 、 それに会議の議事録・各トライの不具合・トライに限らず製作途中の不具合などの 情報を技術情報管理データベースに集めております。
 
そしてコミュニケーションシステムでEメールを使うことによって、 誰でもいつでもデータベースの情報にアクセスし、調べられるようになっています。
 
例えばドアインナーを検索するとしたら、ドアインナーという部品名では「RLがセット」、 「サッシつきのフルドア」という条件で参考になる、ならないの対象に大きな食い違いが発生します。
そこでまず金型基本情報で型番を検索してから製品形状と金型モデルの3Dデータ(XVL)を確認します。 そこで「参考になる!」という判断をしてから条件に一番近い過去の設計事例、 さまざまなお客様との打合せの事例、 トライ情報、製品がどのように成長していったのかなどの情報に辿り着き、膨大な情報量から必要な情報にシンプルに辿り着けるようになっています。
 

TIMシステム
 

【海外への業務委託】

TIMのネットワークにつきましては、事務所は有線でつないでおります。 現場は離れていますので、無線でつなぎ携帯端末を各所に配置し必要な情報を機械の現場や仕上げの現場、トライの現場に出しています。 営業も出先からTIMにアクセスし、コストの状況、原価率の状況が検索できるようになっています。
 
TIMの作成にあたっては、 日本ユニシス・エクセリューションズが開発した製造データベースのパッケージ(DIH) を私ども向けにカスタマイズしていただきました。 TIMは日本ユニシス・エクセリューションズの強力なバックアップのおかげで構築することができました。
 
なお、この内容につきましては「型技術11月号 30,31ページ」に掲載させていただいております。
 

−TIM画面イメージ−
TIM画面イメージ
 

【TIMの今後の開発計画】

現状のTIMは、システム構築の予算、スケジュールなどの理由から技術情報のみに特化したデータベースです。
しかし現場の人や技術者にTIMでどのような情報が知りたいかをヒアリングすると、技術情報はもちろんですが コスト、スケジュールに関するものが非常に多いのが実情でした。
 
さらに3次元の型図を元に工程ごとの製作工数自動計算機能、 作業表の自動作成、型費算出、部品受発注などの機能 の開発にも今後取り組んでいこうと思っております。
 

【さまざまな可能性を秘めた3Dモデル】

さまざまな可能性を秘めた3Dモデルですから、3Dモデルを活かせるシステムを今後いろいろ作っていきたいと考えております。
いつも思っておりますが、周辺アジア国あたりがどんどん力をつけて、追い上げがすごく迫ってきております。
その中で我々がどうやって競争に生き残っていくかということですが、 海外では技術・技能は自分だけのもの、人との共有はしない、という傾向が強いのに対し、 日本ではいろいろな情報を共有することが出来ると思います。
そういう意味からも、TIMのような、 情報を共有できるシステムを作ることにより5年、10年先の自分の会社が国際的に競争力を展開できるようにしたいと思っています。
 

さまざまな可能性を秘めた3Dモデル
 

日本ユニシス・エクセリューションズには、 今後、 3D化された工程図からの自動設計機能、簡単に操作できる検証機能 などを開発していただきたいと思っております。
 

2回に渡り、ご紹介した 株式会社山本製作所様の「3Dソリッド設計の現状と今後の課題」 は、これで終了です。

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