お客様事例
お客様事例
2009年4月1日公開
パラメトリック機能も含め、システムの力を100%有効活用できる環境を中国でも展開し、国際的なニーズに対応できる拠点としていきます。
最新鋭の設備と技術の融合
株式会社黒田製作所は、1975年の創業以来プラスチック用精密金型を提供する企業として、さまざまな取り組みをしてきています。
2003年には中国大連工場も設立。
妥協を許さない製品づくりのために、最新の設備を活用し、
加工シミュレーションによる事前チェック、DNC運転による高能率加工、大型高速加工機による直彫仕上加工、グラファイト電極による総形一体放電加工など、
最新の生産方式を採用しています。
主に自動車プラスチック部品の金型設計をCADmeisterでおこなっています。
サーフェスとソリッド、2次元と3次元の両方に強いハイブリッドシステムと、 アセンブリ構造やレイヤを活用してのデータ管理のしやすさ
黒田製作所では、昭和63年に自動プロを導入、そして今から約10年前にPC版がリリースされたタイミングでCADCEUSをモデラーとして導入しました。
それまでに他のCAD/CAMシステムを導入していましたが、お客様からソリッドへの対応を要望されたことがきっかけでした。
CADCEUSを選定した理由として取締役で技術部部長の櫻井氏は次のように言います。
「当時サーフェスとソリッドの両方が高機能である
ハイブリッドシステム
で値段も手ごろなものだったことが、CADCEUSを選定した一番の理由でした。
その後、2次元CADで行っていた設計業務を3次元化する方針を決め、CADCEUSを設計用ツールとしての運用を試みました。
試用してみるとCADCEUSは2次元機能も強く、
またアセンブリ構造やグループ、レイヤ等を活用することでデータの管理がしやすことも分かり、設計用の基幹システムへ採用することを決定しました。
設計業務をいきなり完全に3次元化する訳にもいかず、過渡期は2次元/3次元混在の環境が欲しかったのですが、
CADCEUSはこれを解決するのに有効なツールであると評価しました。
また、カーメーカーから製品データを受け取りますが、受け取ったデータのうち金型作成対象となる部品は一部。
1ファイルの中に複数の部品が混在していると、必要な部品を取り出すだけでも工数を要していました。
お客様の方でアセンブリ構造やグループ等を使ってデータを分けていても、既存のシステムで取込むとデータを分けた情報が破棄され
1ファイルの中に混在してしまっていましたが、CADCEUSでは、取込み後もしっかりとデータが分かれており、
スムーズに設計作業を開始することができました。
カーメーカーから送付されるデータもソリッドベースのものが徐々に増え、
それに伴いCADCEUSを増設、そしてCADmeisterへ移行し、また設計業務も完全に3次元化されて、現在では25台を活用しています。」
今後はユーザ部品登録とパラメトリックで設計工数を少なくしたい
CADmeister導入のメリットとして、技術部の安藤氏,文元氏,数藤氏は次のように話します。
「要素色がそのまま図面に出せることはありがたいです。
他にもリカバリースタート(注1)については、とても助かっています。
これは他システムにはない機能ですね。常に安心してモデリングすることができます。」
また、ソリッドデータ化により干渉チェックができるようになったのは金型加工の効率化に大変効果があったようです。
「今までは水管の穴あけで誤って製品のところまであけてしまうこともありましたが、それがなくなりました。」
(注1)リカバリースタート
CADmeisterを保存せずに異常終了した場合でも、次回起動時にリカバリースタート(CADCEUSではWARMスタート)をおこなえば、
終了直前の状態から作業を開始することができます。
直感的な操作性と、今後も継続したSEからのサポートを期待
CADmeisterへ期待することの1番は操作性。
「コマンド数が多いのは良いのですが、操作性が統一されていない感じがします。
オペレーターが今何をすれば良いのかが直感的に分かりやすいダイアログやエラーメッセージにしてほしいです。
また、CADmeisterホームページのユーザページは操作で疑問があるときによく見ていますので、これからも更新していってください。」
SEのサポートサービスは活用されているそうです。
「UEL中部営業所からSEに定期的に訪問していただき、そこで細かいことも相談できるので助かっています。今後のサポートも期待します。」
ユーザ登録部品の充実とパラメトリック機能を100%活用
設計工数だけでなく、お客様へ納品するまでのトータル期間を短縮したいと考える櫻井氏。
「そのためにはどうしてもデータを3次元化していかないといけません。
まず取り組むべきことは、ユーザ登録部品の部品数の充実。
ユーザ登録部品のモデリングは知識がないとできません。現在ユーザ登録部品作成に専任者をおいています。
つぎにCADmeisterパラメトリック機能を100%有効に活用することです。
パラメトリック設計にするとハードウエアの負担も増えるでしょうから、最新ハードウエアの用意など環境整備もおこなう必要があります。
そのうえで他システムとの連携もうまくおこない、工場全体としてコストダウンを実現したい。
そして日本国内のみならず中国でも同様に展開し、国際的なニーズに対応できる会社でありたいです。」
中部営業部の中島です。
実は私はその昔15年ほど前に新規セールスで何度か黒田製作所様にお伺いさせて頂いたことがありました。
その時はご検討頂く迄には至りませんでしたが、転勤を経てあらためて担当としてお伺いできることとなり感慨深いものがあります。
私が担当させて頂くようになったのは平成18年からですが、ちょうど前年にCADmeisterのリリースが開始された時期にあたります。
黒田製作所様は私の担当ユーザの中で一番早くCADmeisterへの全面移行を決めて頂いたお客様であり、常に新しいことに積極的に取り組まれていらっしゃいます。
その分弊社に対するご要望もたくさん頂きますが、少しでもお役に立てるよう頑張りたいと思います。
写真は以前牧場で乗馬体験をした時のものです。
馬に乗るのも好きですがレース観戦も好きで、毎週レースを観ながら情報分析力・決断力をみがいています。
工場見学もさせていただき、今まで見たことないくらいの大きなキャビコアブロックを拝見いたしました。
中国大連での活動についても原稿には書ききれないほど多くのことを伺うことができました。
自然が多く山が美しく見えるという意味で大連と岐阜の風景が似ているということを初めて知りました。
山並みを見るには岐阜城からが絶景、ということで岐阜城にも足をのばしてみました☆
小高い山の上に岐阜城はそびえていて、そこからの景色は言葉を失うほど広大で美しかったです。
取材担当 牧野