お客様事例
お客様事例
2008年3月19日公開
なぜ3Dソリッド設計なのか。
干渉、加工できない、部品手配ミス、強度不足が悩みだった。
「3Dソリッド設計の現状と今後の課題」と題し、株式会社山本製作所様の事例をご紹介いたします。
本稿は2007年12月に開催しました、UEL FORUM 2007でのご講演内容です。
株式会社山本製作所 常務取締役
長崎 一誠 様
(UEL FORUM 2007 in GUNMA)
株式会社山本製作所 金型事業所製造部 技術課設計係
篠崎 孝治 様
(UEL FORUM 2007 in OSAKA)
【3Dソリッド設計の目的】
3Dソリッド設計の目的は、まず不具合の撲滅です。
お客様からお金を貰えないような工数がたくさんありますが、
そういう工数をどう削減していくか、3D設計によってさまざまな検証を実施していきたい。
2番目に機械加工の無人化、稼動率の向上。
2次元の加工データ作成にZ寸法を入れて機械加工の稼動率を上げていきたい。
3番目に設計短納期化の対応。
そして4番目。
これが一番の大きな目的ですが、3D設計がTIM(技術情報統合管理システム)での絶対条件であることです。
TIMについては後ほどご説明します。
5番目に未習熟者への対応。
通常一人前の設計が出来るまでには5年、7年かかりますが、3D設計だと1,2年で早く育成できるということもありまして、取り組んでいます。
【100% 3D化計画】
各種干渉、加工できない、部品手配ミス、強度不足といった不具合撲滅のために、昨年はデータを3D化して事前検証をする方針を進めました。
3Dモデルが存在すれば、システムで検証でき経験の浅い人でも一定の品質が保持できます。
3D化の現状はどうなっているかと言いますと、3D設計業務と23DP業務で構成されています。
23DP業務とは、鋳物手配が可能なレベルの2D図面を元に、3Dモデルを作成する業務です。
一見3D設計したように見えますが、非パラメトリックであり、改善や修正を行う場合には、1からやり直すため、多大な工数を必要とします。
1年後には2.5D業務を開始します。
2.5D業務とは、型構造が確定したレベルの2D図面を元に鋳物設計を3Dのパラメトリックでおこない、その後図面化する業務です。
パラメトリックで作成した型の3Dモデルは、後で十分活用します。
3年後には、全業務において2.5D業務と3D設計と、ALLパラメトリックを実現したいと考えています。
【海外への業務委託】
どのような手段で3D化計画を実現していくかということですが、
2.5次元の設計を国内でやっていると原価が高くなるため、
2004年にモンゴルのウランバートルに設計をおこなうところを設けました。
最近では日本ユニシス・エクセリューションズにご相談して、大連のGDCにもお願いしている状況です。
コアなエンジニアリング業務は日本でほとんど行い、単なる設計、ルーチン業務を主にモンゴルや大連にお願いしています。