お客様事例
お客様事例
2010年9月1日公開
ものづくり中小企業開発等支援 活用成果
エクセルファイルさえ開けば全ての情報が引き出せる、を目指して
モールデック様では、経済産業省が2009年に公募した「ものづくり中小企業開発等支援補助金(試作開発等支援事業)」に採択され、
国の助成を受け「金型の設計データベース技術活用の図面化レスによるプラスチック金型の試作開発」をテーマに試作開発を進め、
その成果として「図面化レスプログラム」を開発しました。
「図面化レスプログラム」は、CADmeister Moldの部品属性・穴加工属性を設定した3次元モデルに対して、
穴の情報(CSVファイル)・XVLファイル・DXFファイルを出力させるCADmeister側マクロ機能と、Windowsプログラムにより、
XVLファイルのエクセルシート貼り付け、DXFデータの自動画像変換やテキストファイルの編集・NCピッチデータ出力する
2本立てのプログラムにより構成されています。
出力情報はすべてエクセルデータ化されるので、大型プロッターを使用せず、
A3プリンターとインターネット環境があれば情報の共有化が実現でき、
CAD環境の無い工場現場、外注加工先などでも3次元モデルの閲覧、プレートの断面形状の確認をすることができます。
それまで2次元でおこなっていたプラ型設計を3次元化したいと考え、
2004年にCADCEUSを導入、2005年にCADmeisterへ移行し、
まずは部品作成・登録から始め、2年ほどで社内では3次元設計ができるようになりました。
しかし、自社内だけで3次元化が実現しても仕事はうまくまわらない、と奥村社長は言います。
「お客様である型屋さんは2次元のみ対応のところも多く、3次元データをもらっても加工できないから図面を出してほしい、
と要求されることがしばしばありました。
何か策は無いかと思案していた時にちょうど補助金の話があり、後工程にもっとうまくつなげるシステムを作れないか、と考えました。
2次元しか対応していない会社やCADmeisterを導入していない会社とも、図面なしで情報伝達をスムーズにおこないたいという思いで「図面化レスプログラム」を開発しました」
図面化レスプログラムは、@〜Eの機能を搭載しています。
※クリックすると画像が拡大します。
CADmeisterまわりの機能
各種データを出力する機能
「DのDXF出力では、正面図と断面図を自動分割して展開するようにしました。
また、図面の大きさは、現場でも見やすいようにA3サイズにしています。
Eについては、設定された穴加工属性情報を、ピッチデータとして出力されるようにしているので、現場で間違い無く穴をあけることができます。
加工順番の変更、あける穴を限定する等、データの編集もここでできます」
開発期間は2009年10月〜2010年3月で、2009年の11月から約400時間、UELのプログラム開発教育を受けました。
「TV会議システムを使い、UELのSEの方に遠隔で技術指導していただきました。
苦労した点も多かったですが、親切で分かりやすい指導のおかげで開発することができました」
金型開発グループ リーダーの石田氏は、特にBの断面図作成が苦労したと言います。
「加工属性の情報をみて、システムが自動で断面を切るのですが、
自動的にただ断面を切っただけの線が図面として見やすい断面線になるとは限らず、そこをうまく処理するための構築に時間がかかりました。
この機能は特に多くの方に使っていただきたいですね」
あなたの会社の3D SOLID設計化を全包囲網でバックアップします
3次元設計を目指す企業をバックアップするサービスを次々と展開し、自社のホームページとは別に
「プラ型3D SOLID設計総合支援サイト SOLID DESIGN navi」を2009年春オープンしました。
現在、大きく分けて3つのサービスを提供しています。
部品提供サービス
3D SOLID設計化移行への検証用として、主要な部品を無料にて提供いたします。有料の豊富な3D部品も用意しています。
プラ型設計支援ソフト「プラ型くん」
設計計算、材料取り/モールドベース加工図作成、部品表/発注書作成をおこなうソフトウエアで、今回開発した
「図面化レスプログラム」は、「プラ型くんVer2」(10月リリース予定)にて評価版を無料でお試しいただけます。
メーカーカタログ宅配便
部品メーカーから出される部品カタログは年に約1回更新され、整理や管理に労力を使われている方も多いと思いますが、
当社のサイトを経由していただければまとめて発注して無料でお届けします。
その他、「金型設計 虎の巻」と題して、3次元設計ノウハウを、毎月1テーマずつ公開しています。
過去のテーマには、「傾斜コア・倒れコアへの製品の取られ対策」、「傾斜コアと他の突出構造物との干渉」、などがあります。
さらなる3次元設計化促進のために
「3次元化をこれから進められる会社の方々が、当社がこれまでに経験した苦労を今からする必要はありません。
当社で作成したデータを提供したり、あるいはデータの作り方等のノウハウを提供していきたい」と語る奥村社長は、
自社内のみならず、業界全体が良い方向へ向かうよう試行錯誤を続けています。
「当社は、CADmeisterによるプラ型設計化を支援するCADスクールも運営しています。
講師は3次元設計の立ち上げ経験を有する当社の技術者が対応します。基礎コースから受講者のご要望に応える応用編まで幅広く対応いたします。
今後も3次元設計化促進のために、「設計の心」を持った各種サービスを展開してきたいと考えています。
何かお悩みや不安等をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください!」
「図面化レスプログラム」試作開発メンバー&渡辺(UEL営業)
>>モールデック様事例 : 「3Dフルソリッド金型設計への挑戦」(2008/07/28)はこちら
西日本営業部中部営業所の渡辺です。
東海3県と北陸3県を中心に担当させていただいております。
モールデック様とは、6年前私のデモンストレーションに魅了され(!?)MoldDeisgnを導入して頂いてからのお付き合いになります。
導入後は非常に早いスピードで3Dソリッド設計を立ち上げられて、デモで魅了されたのでは無く機能をしっかり見極められて導入された事を実感しました。。
今回、助成金開発のお手伝いをさせて頂きましたが非常に勉強熱心で意欲的で妥協しない奥村社長だからこそ助成金の選定に合格されたのかなと思いました。
(教えるこちらは非常に疲れましたが^^)
苦労した分今回開発した機能はきめ細やかな部分まで作り込まれていて非常に良いプログラムに仕上がったと思います。
開発した「図面化レスプログラム」を発表するセミナーを名古屋、岐阜で開催した際には、
沢山のユーザ様にお集まり頂きセミナー後も多くのユーザが残り遅くまで質疑応答が行われており、
「図面化レスプログラム」への関心の高さに驚きました。
今回の開発に協力頂いたモールデックの皆様には深く感謝申し上げます。
写真は甲子園で興南(沖縄)対仙台育英(宮城)を観戦した時のものです。
この夏『アッツー』と言いながら甲子園を観戦する。一番の癒しになりました。
奥村社長をはじめ、「型にはまったらあかん!」という企業理念のもと、とても活発的な会社という印象を受けました。
最近では「トレーラーハウス組立場付き滞在型貸し農園」の事業もされていて、
こちらの話題でも盛り上がり、私も学ぶことが多くありました。何事も精力的に前向きに取り組む姿勢は、私も見習いたいです。
モールデック様がある岐阜県各務原市は「冬のソナタ」のロケ地で知られる韓国の春川市と姉妹都市提携を結んでいます。
会社のすぐ近くに有名な(!?)「冬ソナロード」がある、ということで行ってきました!
取材日は多治見市で39.4℃を記録した暑い日だったのですが、木陰が涼しく、ホッとできる一画でした☆
取材担当 牧野